陽だまりに溶け合った心
COLORFUL LOVE 蜂蜜色の午後
一年に一度の記念日に、彼と寄り添える日常がある。この幸せはこれから始まる幸せの始まり。
陽だまりに溶け合った心

眩しい光に閉じていた目を開けると、隣の牧野が同じように目を閉じていた。
全身に陽の光を浴びるその姿はあまりにも無防備で、あまりにも輝いてきて、腕の中に閉じ込めたいと思った。
誰にも見せたくない、誰にも渡したくない。
それは、確実に胸を巣食う独占欲だった。

(何考えてるんだか、俺は)

距離を大事にしたいと言ったのは俺だ。大切に育んでゆっくり重ねた想いだから、何よりも大事にしていきたい。突然駆け出したり飛び越えたりせずに。
――その想いに嘘はない。
でも。

(もっと近づかないと、足りないんだよな)

二人の関係が確かなものだと実感したくてたまらない俺がいる。
想いを重ねたからこそ確かめられる確かなもので。

「そのまま」

ぴくりと震えた牧野の睫毛に、僅かに掠れた声でそう告げたのは、ほぼ無意識だったかもしれない。
でも、そうせずにはいられなかったんだ。
牧野が愛しくて。
牧野を、感じたくて。


長い長いキスの後、唇を離してそっと顔を覗き見れば、焦点の合わない瞳がゆらゆらと熱を帯びて俺を見ていた。
愛しくて愛しくて、たまらなかった。


牧野。
ずっと二人で歩いて行こう。一歩ずつ。ゆっくりと。
ずっと。ずっと想いをひとつにして。

――ありがとう。をこめて  はなみずき
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